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信州の郷土料理「根曲がり竹と鯖缶の味噌汁」

作ってみた

根曲がり竹とは?

笹の一種で正式名称を「チシマザサ」といいます。稈(かん)と呼ばれる茎の部分が弓状に曲がっていることから「根曲がり竹」と呼ばれています。

根曲がり竹が採れる5月〜6月頃にかけて、長野県では根曲がり竹と鯖(サバ)缶の味噌汁がよく食べられています。「根曲がり竹と鯖缶の味噌汁」は信州の伝統的な郷土料理のひとつなのです。

根曲がり竹と鯖缶の味噌汁を作ろう!

運良く近くの直売所で根曲がり竹をGETできたので、根曲がり竹と鯖缶の味噌汁を作ってみることに!

根曲がり竹は希少価値が高く、なかなか手に入りません。今回買った根曲がり竹は、このぐらいの量で600円でした。高級食材ですね。

この部分が稈(かん)なのでしょうか。たしかに少し曲がっています。曲がってしまう理由は、降り積もった雪の重みによるものだと言われています。

根曲がり竹以外の材料はこちら↓

スーパーで買ってきた鯖缶と、当店にお味噌を卸していただいているマルモ青木味噌さんの「有機玄米味噌」の白を使います。

調理開始!

早速作っていきます!

まず最初に根曲がり竹の皮を剥きます。みずみずしくてとても美味しそう。

この作業が結構時間かかりました……とにかく剥きにくい! 後で調べたところ、根曲がり竹の先から根に向かって包丁で縦線を入れると驚くほど簡単に剥けるそうです。

皮を剥いた根曲がり竹を程よい大きさにカット。この際、根元の固い部分は切り落としてしまいます。(もったいないので、今回は固い部分も少し残しています)

今回は見た目重視で、ワイルドな切り方にしてしまいましたが、食感や食べやすさのことを考えると、斜めに薄切りにするか、輪切りにするのがいいかもしれません。

根曲がり竹の歯ごたえを楽しみたいのであれば、大きめにカットするのがオススメです。

沸騰させた鍋に根曲がり竹を入れます。

しばらくしたら鯖缶を投入。

味見をしながら味噌を入れていきます。根曲がり竹自体にはあまり味がないので、汁は少し濃い目にするのがオススメです。

お椀に盛りつけたら完成です!!

調理開始から50分ぐらいで出来上がり! 大きくカットしたおかげか、根曲がり竹の存在感がすごいです。郷土料理らしい、野趣あふれる見た目になりました。(参考までに先ほどの根曲がり竹の量で、だいたい6人前の量が出来ました)

いざ実食!

……とても美味しいです!
やっぱり根曲がり竹のシャキシャキとした食感がいいですね。根に近い部分も思ったより固くなく、美味しくいただけました。

味自体もとても美味です。鯖とお味噌の相性が抜群! 根曲がり竹、鯖、お味噌のいい香りも、食欲を刺激します。クセになる味わいで、一人で3杯も食べてしまいました。

「根曲がり竹と鯖缶の味噌汁」
とても美味しかったです!

実はここ数年は食べていなかったのですが、久しぶりに食べてその美味しさを再確認。作り方も思っていたより難しくなかったので、これからは毎年食べたいと思います。

長野県の郷土料理ではありますが、根曲がり竹を細いたけのこで代用したりすれば全国どこでも簡単に作ることができますので、興味の湧いた方は是非味わってみてください。オススメです!

ちなみに……

・根曲がり竹は、収穫から時間が経つとアクが出てきてしまうので、調理はお早めに。

・根曲がり竹はクマの大好物でもあります。山へ根曲がり竹を採りに行ったらクマに襲われたなんて話も結構ありますので、採りに行かれる際はクマ対策をしっかりとし、必ずふたり以上で行くようにしましょう。

・根曲がり竹と鯖缶の味噌汁は、地域によって玉ねぎを入れるところもあります。他にも溶き卵を入れたり、豚肉を入れたりとアレンジは豊富です。

・根曲がり竹の味わい方として、もう一つ有名なのが「焼き根曲がり竹」です。作り方は簡単で、皮が付いたままの根曲がり竹に、縦に真っ直ぐ切り込みを入れトースターなどで焼くだけ。シンプルですが素材の味を楽しめる一品です。

これからも定期的に長野県の文化、習慣などを紹介していきます。お楽しみに!


執筆/オンラインショップあんず