そばの豆知識
そばの豆知識 - 技術編
【おいしいそばは「三たて」】
「三たて」とは「挽きたて・打ちたて・ゆでたて」のことで、おいしいそばの条件として使われる言葉です。
「挽きたて」とは製粉したてのことで、そば粉は時間が経つと鮮度の劣化が激しいそうです。特に理想の挽き方は「石臼挽き」。高速の機械挽きだと粉が熱を持ち、風味が飛んでしまうそうです。
「打ちたて」と「ゆでたて」もそばの劣化が早いことに起因します。ただし、小麦のつなぎを使っている場合は多少時間をかけて熟成させた方がいいようです。小麦粉に含まれるグルテンが、熟成されることで食感がよくなるためです。店頭で手打ちの実演している店でも、実演で打ったものをすぐゆでないところもあるそうです。
また、包丁切りしたばかりのそばはよくないそうです。茹で湯に入れても沈まずに浮き、うまく茹でられないのだとか。粉と水が馴染まない、こねた際に含まれてしまった空気が抜けきらない、などと考えられています。そのため、切りたてではなく、少し時間をおいてから茹でるとおいしいそばになります。
なお、「ゆでたて」はゆでたそばはすぐのびてしまうため、手際よく水切りをして素早く出さなければならないという戒めだとか。
【信州戸隠そば】石臼挽き生そば(AN)【送料無料】
そばの「三たて」をご堪能いただける生そばです。
【つなぎ】
そばのもつ独特の風味が味わえるのは、つなぎなしのそば粉100%で打ったそばですが、打ち方によってはパラパラに切れてしまうことも。
そこで歯切れをよくするため「つなぎ」が必要なのです。
「つなぎ」にはふつう小麦粉が使われますが、卵やヤマイモもよく使われます。そば屋で出されるものはおおむね「二八そば」「九一そば」と呼ばれる1〜2割の小麦粉のつなぎが入っているもの。
歯ざわりと香りのバランスが保たれるのはそば7:つなぎ3割までだそうです。
なお、JAS(日本農林規格)によると、乾麺の「そば」と呼べるものは、そば粉が3割以上(小麦粉が7割以下)のものとなります。
【信州戸隠そば】自然芋そば(G-1)
山芋粉と海藻(真布のり)をつなぎに使ったそば。普通のそばとは一味違った美味しさです。
[参考文献]
・(社)日本麺類業団体連合会(1991)『そば・うどん百味百題』柴田書店
・戸隠そば商組合監修(1995)『信州・戸隠手打ちそばの技術』旭屋出版
・しまだえいこ,平尾朋子,その他(1995)『信州・味の名産と郷土料理』信濃毎日新聞社